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【フォトレポート】SYNC Design & Innovation in SITE 2026 |セッションダイジェスト

iDIDメディア編集部
iDIDメディア編集部
2026.07.08

2026年6月26日、タイ・バンコクのサイアム・パラゴン内パラゴンホールにて、デザイン&イノベーションの祭典「SYNC Design & Innovation in SITE 2026」が開催されました。アジア最大級のイノベーションイベント「SITE 2026」の2日目に、特別開催されたイベントで、iDIDも後援/制作協力として参加しました。ここではMAIN STAGEとGLOBAL STAGEの2ステージ、そしてNEX HALLの音楽ライブから、当日の様子を写真でお届けします。

目次

MAIN STAGE

オープニング

タイ国家イノベーション庁(NIA)のクリットパカー・ブンファーン氏と、駐タイ日本国大使・大鷹正人氏の挨拶で幕を開けました。SYNCが開かれた「SITE 2026」(Startup x Innovation Thailand Expo)は、このNIAが主催するタイ最大級のスタートアップ・イノベーションの祭典です。

特別セッション

クリエイティブ・エコノミー・エージェンシー(CEA/タイのクリエイティブ経済を担う機関)のインターバン・プアキャウ氏と、depa(タイ・デジタル経済振興機構)のスパコーン・シッディチャイ氏が登壇。タイのクリエイティブ/デジタル経済がいまどこへ向かっているのかを話してくれました。

[サステナビリティ×デザイン]気候変動に適用するデザイン戦略

NOSIGNERの太刀川英輔さんが登壇。NOSIGNERは、防災や気候変動、地域活性といった社会課題を専門に手がけるデザインファームで、「東京防災」や震災直後に立ち上げた「OLIVE」などで知られています。太刀川さんは生物の進化に着想を得た「進化思考」の提唱者でもあり、国連の諮問機関WDO(世界デザイン機構)の理事も務めています。この日は、気候危機の時代にデザインには何ができるのかを掘り下げてくれました。

[経営×デザイン]「くまモン」はいかに生まれたか、デザインとビジネスをつなぐ方法

good design companyの水野学さんが、まさかのくまモン同伴で登場。水野さんはくまモンの生みの親であり、good design companyは、ロゴから商品企画、空間、長期のブランド戦略までを一貫して手がけるクリエイティブディレクション集団です。相鉄グループや中川政七商店、久原本家「茅乃舎」など数々のブランディングでも知られ、この日は、くまモン誕生の裏側から、デザインとビジネスの結び方までを話し、会場を惹きつけました。

くまモンスペシャルステージ

続いて、くまモン本人がステージへ。オリジナルソングに合わせて2曲を披露し、広いステージを端から端まで使いながら、躍動感たっぷりのダイナミックなダンスを見せてくれました。会場はあちこちでスマホを構える手でいっぱいになりました。

[コミュニケーション×デザイン]スペシャルセッション

BrandAge–Chuo Senko Research Houseのスリカンヤ・ヤーティップ氏が登壇。同社は、タイを拠点に東南アジア一帯へネットワークを広げる広告・マーケティングのグループです。ブランド戦略とリサーチの専門家の視点から、タイ市場ならではのブランドコミュニケーションについて話してくれました。

[AI×デザイン]似合うを科学する

ZOZOの風間昭男さん(執行役員/CAIO・最高AI責任者)が登壇。ZOZOは、表参道のリアル店舗「niaulab(似合うラボ)」で独自のAIとプロのスタイリストによるパーソナルスタイリングを提供し、そこで集めたデータから「似合う」を要素分解して、コーデアプリ「WEAR」などのサービスに実装してきました。この日は、感覚的にとらえられがちな「似合う」を、データとAIでどう解き明かすのか、その仕組みを紹介してくれました。

[AI×デザイン]プラチナセッション

電通デジタルの山本覚さんも、AI×デザインをテーマに登場。山本さんは東京大学の松尾研究室でAIを学び、自ら創業したデータアーティストを経て、電通デジタル初代のCAIO(最高AI責任者)を務める人物です。同社はAIソリューション「∞AI(ムゲンエーアイ)」で、広告コピーやクリエイティブの自動生成、効果予測などを手がけてきました。この日は、AI時代のクリエイティブがいまどこまで来ているのかを紹介してくれました。

[ファイナンス×デザイン]決済の今後とクロスボーダー

NTTデータの西川新一朗さん、National ITMXのチャッチャイ・ドゥサーデーノート氏、フォーデジットの末成武大さんが登壇。National ITMXは、タイ全土で使われる送金・QRコード決済サービス「PromptPay」を運営する、タイの決済インフラの中核を担う組織です。日本とタイ、双方の決済インフラを知るメンバーが揃い、国境を越える決済のこれからこれからがテーマとなりました。

[ファイナンス×デザイン]日本とタイのイノベーション協創

続くファイナンス×デザインのセッションでは、アユタヤ銀行のスーブット・サーンティサート氏が登場。アユタヤ銀行(クルンシィ)は三菱UFJフィナンシャル・グループの傘下にあり、日本とタイをつなぐ金融連携の最前線にいる銀行です。決済にとどまらず、金融機関同士がどう手を組み、新しい価値を生んでいくのか、日本とタイの協創のかたちを語ってくれました。

[ライフスタイル×デザイン]小さな出会いから始まる、ものづくり — 途上国の可能性を世界へ届けるデザインの力

マザーハウスの山口絵理子さんが登壇。マザーハウスは「途上国から世界に通用するブランドをつくる」を掲げ、山口さんが2006年に創業したブランドです。バングラデシュを皮切りに、ネパールやスリランカなど複数の国に自社工場を持ち、現地の素材と職人の手仕事を生かしたバッグやジュエリーを展開しています。この日は、途上国の素材と技術を、どうやって世界へ届けているのかを話してくれました。

[教育×デザイン]AI時代のデザイン教育

多摩美術大学の永井一史さん、タイ王国高等教育科学研究イノベーション省のスラパン・メカナウィン氏、フォーデジットの田口亮さんが登壇。永井さんは、ブランディングを手がけるHAKUHODO DESIGNの代表でありながら、多摩美術大学の統合デザイン学科で次世代のデザイナー育成にも取り組む人物です。日本とタイ、双方の教育・政策の現場から、AI世代のデザイン人材をどう育てるかが話し合われました。

[コミュニケーション×デザイン]これからのコミュニケーションとデザイン

CJ WORXのジン・パオプラパイ氏が登壇。CJ WORXは、タイで最も多くの賞を獲得してきた独立系のクリエイティブエージェンシーで、タイ初のカンヌライオンズ・グランプリ受賞でも知られています。パオプラパイ氏はその共同創業者です。この日は、タイ発の視点から、次の時代のコミュニケーションのかたちを話してくれました。

[コミュニケーション×デザイン]Designing Brand Destiny

同じくコミュニケーション×デザインのセッションには、電通の八木義博さんがリモートで登場。八木さんは電通のエグゼクティブクリエイティブディレクターで、JR東日本「行くぜ、東北。」などを手がけ、カンヌライオンズでグランプリを受賞するなど国内外で高い評価を受けるクリエイターです。この日は画面越しに、ブランドの未来をどうかたちづくっていくのかが語られました。

GLOBAL STAGE

オープニング

フォーデジットの田口亮さんと、日経BPの佐藤央明さんが登場。イベントを企画・主催する両社を代表するかたちで、GLOBAL STAGEがスタートしました。

[スタートアップ×デザイン]エアライン×イノベーション

ZIPAIR Tokyoの松尾拓哉さんが登壇。ZIPAIRは、JALグループが2018年に立ち上げた国際線中長距離のLCCで、フルサービスでもLCCでもない「NEW BASIC」を掲げ、機体からロゴ、制服まで既存の航空会社の常識にとらわれないブランディングで知られています。この日は、新興エアラインだからこそ挑めるデザインの取り組みを話してくれました。

[ライフスタイル×デザイン]百貨店におけるデザイン

サイアム高島屋の奥森淳誌さんが登壇。サイアム高島屋は、チャオプラヤー川沿いの大型複合施設ICONSIAM内にある高島屋の海外4店舗目で、「タイの最高と髙島屋のフュージョン」をコンセプトに、日本のきめ細やかなサービスとタイの文化を掛け合わせた売り場づくりで知られています。この日は、タイの百貨店ならではの体験づくりについて語ってくれました。

[プロダクト×デザイン]タイから世界へ ものづくり哲学

続いてのプロダクト×デザインには、Yamaha Motor Asian Centerの吉田康隆さんが登場。ヤマハ発動機は、売上の9割超を海外が占めるグローバル企業で、なかでもアジアはインドネシアやタイ、インドなどで高いシェアを持つ主力市場。タイには生産や統括の拠点を構え、二輪をはじめとするものづくりの一大拠点となっています。この日は、タイを拠点に世界へ広がっていくものづくりの哲学を話してくれました。

[ヘルスケア×デザイン]ヘルスケア体験のイノベーション

このセッションに立ったのは、チュラロンコン国王記念病院のセリッチ・チョーティバーニット氏と、IBERDのナレス・ダムロンチャイ氏。ナレス氏は、タイのライフサイエンス分野を長年牽引し、TCELS(タイ・ライフサイエンス振興機構)の初代CEOなどを歴任してきた人物です。タイを代表する医療機関と、ライフサイエンスの第一人者が顔をそろえ、治療そのものだけでなく、患者が過ごす時間や体験をどう設計しなおすかという視点から、医療の未来が語られました。

[AI×デザイン]AI、クリエイティブ、共創と拡張

続いてのAI×デザインには、川田十夢さんとフォーデジットの田口亮さんが登場。川田さんは、AR(拡張現実)技術を駆使したプロダクトやエンターテインメントを次々と生み出してきた開発ユニット「AR三兄弟」の長男として知られるクリエイターです。AIが人の創造性をどこまで拡張し、ともに何を生み出せるのか、二人の掛け合いのなかで掘り下げられました。

経営×デザイン

JETROバンコクの山崎牧子さんと、フォーデジットの末成武大さんが登壇。海外ビジネス支援の最前線と、東南アジアでサービスデザインを手がけてきた立場から、経営とデザインが交わる場所がテーマとなりました。

[iDIDコラボ]タイ・リーグとJリーグのブランディング

iDIDコラボのセッションには、Farmgroupのサムパタ・ジェディー氏と、Takram NYの福田基輔さんが登場。Farmgroupはバンコクを拠点に、バンコク市の新しいアイデンティティ設計なども手がける実力派のクリエイティブスタジオ。Takramはハードからサービス、ブランドまでを横断するデザイン・イノベーション・ファームです。タイと日本、両国のサッカーリーグのブランディングを見比べながら、その違いと共通点が語られました。

[iDIDコラボ]万博のデザインシステム

もう一つのiDIDコラボは、VISIONsの引地耕太さん。引地さんは、大阪・関西万博の「EXPO 2025 Design System」を手がけたクリエイティブディレクターです。会場のあらゆる場面に一貫性を持たせつつ、誰もが参加できる余白を残したこのデザインシステムからは、SNSで人気を呼んだ「こみゃく」の二次創作ムーブメントも生まれました。それらの舞台裏を明かしてくれました。

[コミュニケーション×デザイン]体験としてのパッケージデザイン〜消費者の本能に訴える手法〜

締めくくりのセッションに立ったのは、日経BP・日経デザイン編集長の山下奉仁さん。数多くのデザイン事例を見てきた編集長の視点から、思わず手に取りたくなるパッケージには何があるのか、思わず手に取りたくなるパッケージの秘密に迫りました。

NEX HALL|音楽ライブ

SYNCはビジネスとデザインのセッションだけのイベントではありません。「新しいものを生み出す力は、ロジックだけでなく、人の心が動いた瞬間に立ち上がる」——主催者のそんな考えから、会場のNEX HALLでは、日タイのアーティストによる音楽ライブが一日を通して行われました。

inmintcondition(TH)、君島大空 & タグチハナ(JP)、STEREO DIVE FOUNDATION & 川田十夢(JP)、EYE VDJ MASA(with ALS 武藤将胤)with 内澤崇仁(androp)(JP)、KIKI(TH)、そしてトリを飾ったのは水曜日のカンパネラ(JP)。

タイのアーティストは日本で見る機会が少なく、そのステージも含めて、会場は一日中にぎわいをみせていました。

おわりに

一日を通してデザインとビジネス、そして音楽が交差したSYNC Design & Innovation in SITE 2026。クロージングでは、主催の日経BPと、この日会場を沸かせたくまモンが再び登場し、イベントの成功を振り返るとともに、次回開催への期待を語る場面もありました。

各セッションの詳しい内容は、今後あらためてイベントレポートとして順次公開していきます。GLOBAL STAGEのiDIDコラボセッション「タイ・リーグとJリーグのブランディング」「万博のデザインシステム」も、別レポートで掘り下げてお届けする予定です。続報もお楽しみに!

最後に、会場の雰囲気が伝わる写真をいくつかお届けします!

Credits

Text, Edit:OMIMU(iDIDメディア編集部)

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